経理業務を自動化!メリットや方法、おすすめツールのご紹介
生産性の向上や労働人口の減少への対策、多様な働き方の推進などを目的として、さまざまな企業が業務の自動化に取り組む昨今。中でも特に、作業の正確性とスピードが求められる経理業務の自動化が注目されています。
今回は「経理業務の自動化」をテーマに、自動化の対象となる業務内容や取り組むメリット、注意点などを詳しく解説します。
自動化が進む、経理業務
テクノロジーの発展を背景に、自動化によって効率的かつ正確に業務を進めて人の働き方を変え、また人が力を発揮するべき部分により注力していこうという動きが加速してきました。
そうした中、特に自動化の効果が得られやすい領域の一つとされるのが経理業務です。
経営や取引先との信頼関係に直結する仕事という点で高い正確性が求められ、また時期によっては業務量が膨大になる経理部門においては、しばしば担当者の業務負荷が課題となっており、自動化によって業務スピードを高めるとともに人的ミスを防ぐことが期待されています。
自動化しやすい経理業務としにくい経理業務
自動化しやすいのは、作業の流れや則るべきルールが決まっている “定型” の業務です。経理部門の業務の中では、次のようなものが該当します。
1.請求書や領収書など定型の文書の発行
2.各種証憑の仕分け
3.システムへのデータの転記
4.記帳・仕訳登録
5.売掛金・買掛金の管理 など
一方で、状況に応じた判断やイレギュラー対応が求められるような “非定型” の業務は自動化には適さず、人の判断力をもって行うのが望ましいと言えます。
1.戦略立案
2.システムの運用管理
3.正しい処理が行われているかのチェック など
経理業務を自動化するメリット
経理業務を自動化することのメリットとして、次のようなものが挙げられます。
1.人的ミスの削減
2.業務効率化
3.コスト削減
4.経営判断の迅速化
1.人的ミスの削減
自動化によって、手作業でのデータの転記や目視によるデータの確認などの作業をなくすことが可能になります。入力ミスやチェック漏れなどの人的ミスを削減し、より正確な作業をスピード感を持って行えることは、金銭を取り扱う経理部門において大きなメリットとなり得ます。
2.業務効率化
人の手で時間をかけて行っていた作業を自動化することで、経理業務をより効率的に進められるように。経理担当者の負担を軽減するのはもちろん、空いた時間を人の判断が必要となる業務に活かし、事業や経営に貢献する取り組みを進めることも期待できます。
3.コスト削減
経理業務の自動化を進めるにあたっては、ペーパーレス化が進むことによる紙の購入・印刷・郵送にまつわるコストの削減、業務効率化による人件費の削減などの効果が期待されます。一定の初期費用やランニングコストがかかるものの、長い目で見るとコストの最適化に繋がると考えられます。
4.経営判断の迅速化
経理部門が扱うのは、企業の経営に関わる定量的なデータです。このデータを自動化によってよりすばやく収集・可視化することで、経営状況や課題をタイムリーに把握し、客観的な分析や戦略の策定を迅速に行いやすくなるでしょう。
経理業務を自動化する方法
経理業務を自動化する方法として、次のようなものがあります。
1.Excelのマクロ機能の活用
2.RPAの活用
3.経理向けツール・システムの活用
1.Excelのマクロ機能の活用
Excelの「マクロ(VBA)」機能を活用して複数の小さな作業をまとめて自動化する方法です。
【良い点】
・すでにExcelを導入している企業の場合、追加コストをかけずに導入できる
・生成AIの活用も期待できる
【留意点】
・プログラミングの知識が求められる
・複雑な作業の場合、処理に時間がかかる場合がある
2.RPAの活用
大量のデータを素早く・正確に処理できるソフトウェア上のロボットを活用して、業務を自動化する方法です。
【良い点】
・作業とルールを構築すれば、幅広い定型作業を自動化できる
【留意点】
・導入と運用にコストがかかる
・シナリオの設定やテストに、一定の知識が求められる
【RPAについて、詳しくはこちら】
3.経理向けツール・システムの活用
会計システムや経費精算システム、請求書管理システムなど、経理業務に特化したツールやシステムを活用して業務を自動化する方法です。
【良い点】
・経理業務に特化した機能が実装されているため、特別な知識や複雑な設定、テストが不要
・法改正などがあった際の対応がスムーズに行える
【留意点】
・導入と運用にコストがかかる
・導入し利用が浸透するまでに、周知や研修などのサポートが必要
経理業務を自動化する際の注意点
経理業務の自動化を進めるにあたっては、次のような点に注意する必要があります。
1.業務フローに課題がないか見直す
2.自社に適した方法を選択する
1.業務フローに課題がないか見直す
経理業務の自動化を進めるにあたっては、まずは既存の業務フローを可視化して業務の無駄や課題がないかを確かめておくことが重要です。必要に応じてフローの改善を行った上で、自動化する範囲を決めたり、自動化の方法を選択したりすることで、より自動化の効果を得やすくなります。
2.自社に適した方法を選択する
Excelのマクロ機能、RPA、経理向けシステムを活用するいずれの方法にも、良い点と留意すべき点があります。業務フローやその中で自動化したい業務の種類、運用体制や社員のITリテラシーといった自社の状況などをふまえて、自社に適した方法を選択しましょう。
経理業務の自動化におすすめのシステム
経理業務の自動化に役立つおすすめのシステムを3つご紹介します。
1.経費・請求書・出張管理クラウドシステム『SAP Concur』
2.AIクラウドサービス『Remota』
3.経理業務変革プラットフォーム『BlackLine』
1.経費・請求書・出張管理クラウドシステム『SAP Concur』
株式会社コンカーが提供する経費・請求書・出張管理クラウドシステム『SAP Concur』は、経理業務のクラウド上での一元管理と自動化、効率化を実現し、優れたUIと豊富な機能で社員や経理担当者の負担軽減をサポートします。
【『SAP Concur』について、詳しくはこちら】
2.AIクラウドサービス『Remota』
『Remota』は、請求書支払にまつわる各種作業に特化した単機能AIエンジンと付加機能によって、起票から仕訳、確認までの一連の作業を自動化できる、経理業務に特化したAIクラウドサービスです。
『Remota』上の確定データを「Concur® Invoiceへエクスポート」のボタンから『SAP Concur』に連携することで、手入力の手間が大幅に削減され、不足事項を入力するだけでスムーズに申請・承認が行えるようになります。
【『Remota』について、詳しくはこちら】
3.経理業務変革プラットフォーム『BlackLine』
『BlackLine』は、経理業務の課題解決を後押しするプラットフォームです。紙の書類やExcelファイルを扱う手作業中心の業務プロセスを自動化し、業務の可視化、標準化、効率化とガバナンス強化を後押しします。
【『BlackLine』について、詳しくはこちら】
まとめ
経理業務の効率や正確性を高め、経理担当者が “人が力を発揮するべき部分” により注力できる環境をつくるべく、Excelのマクロ機能やRPA、経理向けシステムなどを活用した「経理業務の自動化」が注目されています。
自動化を進めるにあたっては、業務フローや自動化したい業務、社員のITリテラシーや運用体制などをふまえて、自社に適した方法を選択することが重要です。
経理向けシステムの導入をお考えのお客様は、ぜひNTTデータ・スマートソーシングにご相談ください。