経費精算のアウトソーシングのメリットとは?費用や注意点も解説

経費精算のアウトソーシングのメリットとは?費用や注意点も解説

今回は「経費精算業務のアウトソーシング」について、依頼できる内容やメリット、注意点、依頼先を選ぶにあたってのポイントなどを解説します。経理業務にまつわる負担軽減や、コストの最適化、ガバナンス強化などに課題をお持ちの方はぜひ参考にしてみてください。

経費精算のアウトソーシングとは?

経費精算のアウトソーシングとは、経理担当者が行う経費精算業務の一部またはすべてを外部に委託することを指します。

競争優位性の確立やガバナンスの強化に向けて、企業が取り組むべき課題が多様化していることを背景に、経理部門には “経営課題の解決に貢献できる組織” になることが求められるように。
こうした流れの中で、経費精算業務をアウトソースすることが、経理担当者がより付加価値の高い業務を担えるような環境をつくる手段の一つになると言えます。

【経費精算業務について、詳しくはこちら

アウトソーシングが可能な経費精算業務

経費精算にまつわる多様な業務の中で、アウトソースできるものとしては主に以下のようなものがあります。

1.経費申請内容のチェック業務
2.経費申請内容の承認 / 差戻し業務
3.会計ソフトの入力業務
4.経費の支払い業務

1.経費申請内容のチェック業務

社員から申請された内容について、「申請書と証憑の内容が合致しているか」「記載事項の不備がないか」「社内規定に則った経費利用・申請がなされているか」などを確認する業務です。

2.経費申請内容の承認 / 差戻し業務

経費申請内容をチェックした結果をふまえ、問題がなければ承認を、不備があれば差戻しとして、対象の社員に問い合わせを行う業務です。

3.会計ソフトの入力業務

承認のおりた経費申請書の内容をもとにして、情報を会計ソフトに転記入力し、仕訳登録を行う業務です。

4.経費の支払い業務

経費を立て替えていた社員に払い戻しを行うために、現金での返金か、支払いデータや振込データの作成〜支払処理を行う業務です。

経費精算のアウトソーシングにかかる費用

経費精算業務をアウトソースするにあたっての費用は、依頼内容やそのボリュームによって異なります。例えば経理業務全般をアウトソースする場合や、処理すべき経費申請数が多い場合などは、その分費用も高くなる傾向にあります。

また同じ内容を依頼するとしても、依頼先の体制などによって費用が異なるため、まずはアウトソースしたい業務内容を整理した上で、見積りを依頼するとよいでしょう。

経費精算業務のアウトソーシングのメリット

経費精算業務をアウトソースすることのメリットとして、次のような点が挙げられます。

1.経理担当者の負担を軽減できる
2.経理業務の正確性を高められる
3.属人化による不正の防止に繋がる
4.法改正への正しい対応ができる
5.人件費削減に繋げられる

1.経理担当者の負担を軽減できる

定型ながら多くの手間と時間を要する経費精算業務をアウトソースすることで、経理担当者の負担が大幅に軽減され、より時間をかけるべき付加価値の高い業務に集中できる環境をつくれます。

2.経理業務の正確性を高められる

経理業務にまつわる知識や経験が豊富なアウトソース先の担当者に業務を任せることで、経費精算業務の質を高め、安定させられるのもメリットの一つです。

3.属人化による不正の防止に繋がる

アウトソーシングによって得られる第三者の視点は、不正の抑止力にもなり得ます。

専門的な知識が求められる経理業務は、長期にわたって同じ担当者が担うことで属人化しやすい傾向に。その結果として情報がブラックボックス化し、不正が起こりやすく・不正に気が付きづらい状態になることを防ぐために、アウトソーシングが役立ちます。

4.法改正への正しい対応ができる

経理業務のプロフェッショナルに業務を任せることで、法制度の改正があった場合にも、最新の情報と専門知識をもとにした適切な対応が期待できるでしょう。法律を遵守して透明性の高い経費精算・管理を行うために、アウトソーシングは有効な手段になり得ます。

5.人件費削減に繋げられる

アウトソーシングには委託費用がかかるものの、経理のプロフェッショナルに任せることでより効率的に経費精算業務を進めやすく、また採用や育成などの費用も不要のため、結果として社内で経理部門の体制を整えるより人件費を抑えられるケースも珍しくありません。

経費精算のアウトソーシングにまつわる注意点

さまざまなメリットをもたらす経費精算業務のアウトソーシングですが、始めるにあたっては次のようなポイントに注意する必要があります。

1.体制構築のコストに時間とかかる
2.情報漏えいのリスクがある
3.対応にタイムラグが発生する可能性がある
4.社内での人材育成やノウハウの蓄積が難しい

1.体制構築に時間とコストがかかる

経費精算業務のアウトソーシングを始めるにあたっては、委託先との連携に向けて社内の体制を変更したり、社内規定や業務フローなどにまつわるマニュアルの作成・共有を行ったりと、一定の時間や作業が必要に。計画的に準備を進めることが求められます。

2.情報漏えいのリスクがある

機密情報や個人情報などを社外のアウトソース先に一部共有する必要があるほか、オンライン上でのデータのやり取りも増えるため、情報漏えいのリスクには特に留意しなければなりません。両社間でセキュリティ対策についての情報やルールの共有、緊急時の対応についてのすり合わせなどを行う必要があります。

3.対応にタイムラグが発生する可能性がある

アウトソース先は他にも複数の企業から依頼を受けているため、緊急度の高い内容に対応してもらえない可能性があります。万が一の場合の対応についてあらかじめアウトソース先とすり合わせをしておくとともに、アウトソース先でのタイムリーな対応が難しい場合の自社での対応方法についても検討しておくことが重要です。

4.社内での人材育成やノウハウの蓄積が難しい

経費精算業務をアウトソースすると、社内で人材育成が進まず、またノウハウも蓄積されづらくなります。トラブル時など社内で経費精算業務に対応する必要が生じる場合や、途中でアウトソース先を見直す場合に困らないよう、自社の経費精算業務の現状について社員が積極的に把握しにいく必要があります。

経費精算のアウトソース先の選び方

経費精算業務のアウトソーシングによる効果を最大化するために、アウトソース先を選ぶにあたって押さえておきたいポイントとして、次のようなものが挙げられます。

1.アウトソースしたい業務に対応しているか
2.センター型・訪問型のどちらか
3.クラウド型会計システムに対応しているか
4.コミュニケーションを密に取れるか
5.緊急時の対応が可能か
6.導入実績や評判はどうか

1.アウトソースしたい業務に対応しているか

経費精算にまつわる業務がさまざまある中で、任せたい業務がアウトソース先の対応範囲に含まれているかは特に重要なポイントです。まずはアウトソースしたい業務の範囲を整理して明確にした上で、対応範囲を軸にアウトソース先を選定していくとよいでしょう。

2.センター型・訪問型のどちらか

経費精算業務のアウトソーシングの方式は、大きく二つに分けられます。これらの方式からアウトソース先を絞ることで、コストややりとりの仕方などの観点で自社が求めるものと合致するアウトソース先を見つけやすくなります。

センター型:経費精算・管理システムの利用を前提とし、アウトソース先の担当者はセンターに在籍してクラウド上で経費精算業務を行う。センターに業務を集中させて効率化を図れることから、訪問型と比べてコストが抑えられる傾向にある。

訪問(常駐)型:担当者が企業を訪れ、オフィスに常駐して経費精算業務を行う。費用はセンター型と比べて高くなる傾向にあるものの、日 / 時間単位などスポットでの対応を受け付けているケースもあるほか、コミュニケーションが図りやすいなどのメリットもある。

3.クラウド型会計システムに対応しているか

導入した経費精算システムの操作が難しいと、社内に運用を定着させるのに多くの手間や時間がかかってしまいます。スムーズに運用を始めるためには、機能の充実度だけでなく、入力や操作がしやすいUI・UXかどうかの観点も重要です。

4.コミュニケーションを密に取れるか

経費精算業務は企業の経営やガバナンスに関わる重要な業務であるため、密にコミュニケーションをとって進めることが重要です。対応時間や連絡 / サポート手段(電話・メール・チャットなど)、レスポンスの速さなどを確認し、業務にまつわる不明点が生じた際などに確認会話を行いやすく、緊急時にも頼りやすいアウトソース先を選定しましょう。

6.導入実績や評判はどうか

経費精算業務のアウトソーシングは、機密情報や個人情報の取り扱いを伴います。過去の実績や評判を確認し、安心して任せられるアウトソース先を選定しましょう。特に対応スピードや情報セキュリティ体制などについて重点的に確認しておくと安心です。

まとめ

経費精算業務をアウトソースすることで、経理担当者の負担軽減やガバナンスの強化、経費削減などさまざまな効果が期待できます。

「申請内容の確認や差戻しに伴う個別対応が経理担当者の負担になっている」
「業務の繁閑差によって人員配置の最適化が難しい」
「経費精算業務にかかる時間を短縮し、非定型の業務に時間をあてたい」

といった課題の解決に向けて、経費精算業務のアウトソーシングを検討してみてはいかがでしょうか。

新着記事

カテゴリー
人気のタグ
人気記事TOP5