カラ出張とは?出張にまつわる不正の手口や対応方法、対策について解説
実際には発生していない出張にまつわる費用を不当に申請し、経費や手当を受け取る「カラ出張」。
今回は、そんなカラ出張の手口や発覚した際の対応方法を詳しく解説。また被害を未然に防ぐための対策とおすすめのシステムもご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
カラ出張とは?
「カラ出張」とは、従業員が実際には行っていない出張を申請し、架空の移動や宿泊、接待などにまつわる経費・手当として会社から不当に金銭を受け取ること。
また広義には、出張で実際にかかった費用以上の金額を経費として計上し、差額を自分のものとして受け取ることも含まれます。
カラ出張の手口
カラ出張の手口には、次のようなものがあります。
1.架空の出張申請
2.交通費や宿泊費の水増し申請
3.安価な交通手段や宿泊先への変更
4.接待交際費の水増し申請
1.架空の出張申請
実際にはない出張の存在を作り上げ、交通費や宿泊費、接待交際費がかかったとして会社から経費や手当を不当に受け取る方法です。
2.交通費や宿泊費の水増し申請
実際にかかった交通費や宿泊費以上の金額を経費として計上する方法です。「1泊10,000円のホテルに泊まったが、1泊15,000円かかったことにした」「実際に利用したものよりも高い、遠回りのルートで交通費を申請する」などのケースがあります。
電車やバスを利用した際は特に、領収書の取得が難しいことから証憑としての提出が義務付けられていない企業も多いため、不正が起こりやすくなります。
3.安価な交通手段や宿泊先への変更
事前に自身で予約した、もしくは会社で手配された新幹線や飛行機、ホテルなどを後からキャンセルして払い戻しを受け、より安い交通手段や宿泊先に変更して差額を受け取る方法です。
一度決済を行うことで領収書を証憑として提出できるため、上長や経理担当者が気づきにくく、注意が必要な手口だと言えます。
4.接待交際費の水増し申請
出張先で一人で食事した際の費用は本来経費として認められませんが、これを他の接待交際費に紛れさせる形で申請し、経費として金銭を受け取るケースもあります。
カラ出張が発覚した時の対応
カラ出張が発覚したら、調査・事実確認・処分の順を追って対応するのが一般的です。
証拠集めのための調査を行う
まずは領収書の金額や但し書きの内容、チケットの購入/キャンセル履歴、ホテルの宿泊履歴などを確認したり、経路検索サービスで交通費の妥当性を確かめたり、出張先へのヒアリングを行ったりして、不当な申請・受給が行われたことを示す証拠を集めます。
事実確認を行い、処分内容を検討する
証拠をもとに本人への事実確認を行い、不当に受け取った金銭について返金の合意を取り付けます。その後、被害の程度や背景にある事情などと社内規定をふまえ、処分内容を検討します。
減給や出勤停止、懲戒解雇などのほか、訴訟などに発展するケースも含めて、多様な選択肢の中から妥当な処分を決定することが求められるため、適切な対応を行うためにも監査部門や弁護士などの有識者のサポートを受けるのが望ましいと言えます。
カラ出張防止の対策
カラ出張を未然に防ぐために、次のような対策が考えられます。
1.社内規定の整備
2.不正防止の仕組みづくり
3.出張手配システムの導入
1.社内規定の整備
まずは出張や経費申請に関する社内規定を整理し、経費として認める条件や、交通機関や宿泊先の選択にまつわるルール、カラ出張が発覚した場合の返還請求や処分の内容などを明確に定めておく必要があります。
「どのような経費利用や申請がカラ出張と見なされてしまうのか」「不正を行った場合にどのようなリスクがあるのか」を従業員が正しく認識できるようにしておくことが、不正の抑止力になり得ます。
2.不正防止の仕組みづくり
整備した社内規定に則って正しく出張や経費の申請・管理が行われるように、仕組みづくりを行うことも重要です。交通系ICカードの利用履歴や領収書、航空機の搭乗券の半券といった証憑の提出を義務付ける、業務の実態を知る上長と経理担当者によるダブルチェック体制をとる、などの方法が考えられます。
3.出張手配システムの導入
出張手配システムを導入し、交通機関や宿泊先の手配、利用状況や変更履歴の確認などを一元管理するのも、カラ出張を防ぐために有効な手段の一つです。
上長や経理担当者が申請内容のチェックを行いやすく、架空の出張申請や不審なキャンセル・払い戻しなどに気がつきやすい体制を整えることで、不正を防ぐ効果とともに申請・確認にかかる業務負担の軽減も期待できます。
カラ出張対策におすすめのサービス
カラ出張対策におすすめのサービスを2つご紹介します。
1.経費・請求書・出張管理クラウドシステム『SAP Concur』
2.経費の見える化分析ソリューション『Fraud Checker』
1.経費・請求書・出張管理クラウドシステム『SAP Concur』
『SAP Concur』は、株式会社コンカーが提供する経費・請求書・出張管理クラウドシステムです。出張管理サービス『Concur Travel』と経費精算サービス『Concur Expense』の連携によって、出張や経費の申請・承認、ホテルや航空券の予約・確認など出張にまつわるあらゆる業務・手続きをすべてクラウド上で管理し、自動化・効率化できます。
また合理的かつ経済的な交通機関や宿泊先を優先的に表示する予約最適化機能や、経費申請時の交通系ICカードとの連携機能、社内規定の自動チェック機能などによって、正しい経費利用も後押しします。
【『SAP Concur』について、詳しくはこちら】
2.経費の見える化分析ソリューション『Fraud Checker』
『Fraud Checker』は、経費精算後のチェックプロセスを自動化するAIソリューションです。
AIエンジンが対象となるデータをすべてチェックし、各種データとの突合を実施。経費不正と思われる申請を分析・レポーティングすることで、経理担当者に大きな業務負荷をかけることなく不正の抑止とコンプライアンス強化を実現します。
【『Fraud Checker』について、詳しくはこちら】
まとめ
実際には発生していない出張にまつわる費用を不当に申請し、経費や手当を受け取る「カラ出張」。その発生を防ぐために、経費・請求書・出張管理クラウドサービス『SAP Concur』や経費の見える化分析ソリューション『Fraud Checker』などのシステムを活用した出張管理を行ってみませんか?
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